概要
近年、製品が安全であることや不具合が少ないことは、付加価値ではなく当たり前のことだと認識されるようになってきました。もし、消費者の期待を裏切るような低い品質の場合、ネットショップの製品レビューやSNSなどによって瞬く間に拡散してしまいます。品質を確保する取組みが、かつてないほど重要になっているといえます。特に強度に関わる不具合は安全面の問題に直結し、リコールにつながることもあります。強度設計に関するスキルは、設計者が学ぶべきことの中で最も優先順位が高いテーマの一つだといってよいでしょう。
一方、強度設計のスキルを身につけようとすると、材料力学や材料学、信頼性工学など非常に多くのことを学ぶ必要があることに気づきます。設計業務が多忙を極める中、とてもハードルが高いと感じる設計者が多いのではないでしょうか。
本セミナーは、このような設計者向けに、強度設計の全体像を効率的に理解できるように構成しています。式の導出などは最低限に抑え、実務での強度設計ができるようになることを目指します。前半は強度設計に必要な材料力学の基礎、後半は材料特性やばらつきへの対応手法などを解説しています。実務で課題となりやすい金属材料とプラスチックの違いにも言及した上で、多くの例題を使いながらわかりやすく解説します。
1. 強度設計に必要な材料力学の基本はたったこれだけ
1-1 単位
1-2 力
1-3 モーメント
1-4 支持条件
1-5 荷重/応力/ひずみ
1-6 フックの法則
※例題を解きながら理解を深めていきます。
2. 基本的な強度計算の方法
2-1 引張荷重/圧縮荷重
2-2 曲げ荷重
2-2-1 はりの強度計算の進め方
2-2-2 はりの種類
2-2-3 曲げモーメント
2-2-4 断面係数とはりに発生する応力
2-2-5 断面二次モーメントとはりのたわみ
2-3 せん断荷重
2-4 ねじり荷重
2-5 座屈
2-6 応力集中
※例題を解きながら理解を深めていきます。
3. 材料強度と強度設計
3-1 材料の基準強度
3-2 静的強度
3-2-1 応力-ひずみ曲線
3-2-2 金属材料の強度
3-2-3 プラスチックの強度
3-2-4 静的強度における基準強度の考え方
3-3 動的強度
3-3-1 疲労
3-3-2 衝撃
3-4 環境的強度
3-4-1 金属材料の腐食
3-4-2 プラスチックの劣化
3-4-3 プラスチックの劣化の寿命予測
4. 強度設計の手法と実務事例
4-1 ストレンス-ストレングスモデル
4-2 材料強度のばらつき
4-3 許容応力と安全率
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